コラムColumn

オゾン層が及ぼす地球環境への問題

まず、私達の生活を豊かにする為に作られ、普段使用しているものが、私達に悪影響を与えているということは実感しにくいのかもしれません。

地球を守る為、私達の為に、何かできないか考えている人達がいることを知り、自分達には何が出来るかと少しでも思えたら地球は少し変わってくるのかもしれません。

フロンの環境への影響については、一般消費者、冷凍空調機器の関係業者、建物解体工事業者のほとんどが認識しているという調査結果がありますが、回収率が5 割に満たないのは、多くの人が、フロンの環境への影響を漠然と感じているだけで、本当のフロンの環境影響の大きさについてあまり実感がないからではないでしょうか?

フロンは無味無臭で、温暖化効果は二酸化炭素の数百倍から数千倍といわれても分かりにくいですよね。
二酸化炭素はレジ袋1枚(20g)を使わなければ62g減らすことができるとされています。

6畳用のエアコンのフロンガスが放出されるとレジ袋(20グラム)10万枚分の節約が無駄になると言われています。

フロンガスが放出されると皮膚ガン白内障食糧危機生物死滅台風豪雨干ばつ猛暑・暖冬のゴムプラスチックなどの材料の劣化の影響があります。

オゾンとは

オゾン(O3)は酸素原子が3個結びついてできており人体に有害な不安定な物質、独特な刺激臭を持った青い色を呈する気体です。高原や日差しの強い海岸、森林などの空気に多く含まれています。

オゾンは、酸素原子2個から成る酸素分子が他の酸素原子1個と結びつくことにより発生し、オゾンが光を吸収し他の酸素原子と結びつくと酸素分子となって安定します。

太陽から来る光が地球の大気圏に突入すると、最初に中間圏という極めて空気の薄い層を通過します。太陽の光には広い範囲の波長の光が含まれていますが、波長の短いものほど気体に吸収されやすいため光がほとんど吸収されてしまいます。

その後、光は成層圏という中間圏よりは空気の濃い層を通過します。ここでは、酸素分子が光を吸収してオゾンが発生し、オゾンも光を吸収します。

また、光のエネルギーを吸収することによって成層圏の空気は暖められて軽くなり、その下の空気とあまり混ざらなくなります。その結果 、オゾンの濃度が高い部分が成層圏の下部にできて、これを『オゾン層』と言います。

オゾン層で光を吸収するため、地表面での光は、非常に弱められて届くことになります。大気を浄化した後、時間と共に安定した酸素にもどる性質があり、反応後の残留物を出さないため極めて安全な物質です。

結核などのサナトリウム(療養所)が海岸や高原に作られるのは、自然界で発生されるオゾンを含んだ空気を胸いっぱいに吸い込むことで健康が促進されるからだと考えられています。

身近なところでは紫外線を利用したコピー機やコロナ放電を伴う静電気式空気清浄機などがオゾンを発生します。(現在はこれらの機器ではオゾンを捕獲する物質を用いてオゾンの機外への放出を減らすなどの対策が取られています)

オゾンは酸化力の強い物質で,わずかながらも水に溶けます。このことを利用して,空気中あるいは水溶液中での殺菌に用いられることもあります。また,オゾンの色々な化合物との反応性を利用して脱臭・脱色に用いられることもあります。

オゾン層破壊が破壊されると

1970年代から80年代にかけて、南極上空のオゾン層が破壊され、穴(オゾンホール)ができていることが発見されました。
オゾン層は、大気圏の上層にある、オゾン(O3)の密度が高い層のこと。太陽光線に含まれる有害な紫外線を吸収する重要な作用があり、地球の生命を守る役割を果たしています。成層圏(地上20km以上)に広がった薄い空気の層で、地上の気圧(1気圧)では厚さは3ミリしかありません。

成層圏(高度約10~50kmの領域)にあるオゾン層がそれです。成層圏オゾン層の最大の効用は生物にとって有害な紫外線をカットするフィルターの役割を果たしています。

強い紫外線がオゾン層に吸収されずに地表に届きます。

オゾンは呼吸によって吸引され,水分に吸収されにくいため,場合によっては肺の深部にまで到達することがあります。空気中の濃度レベルや暴露条件によって症状は異なりますが,鼻や喉に刺激を感じるぜん息発作や慢性の気管支炎肺機能低下などの呼吸器系への影響が現われます。また,粘膜刺激性もあるため,眼などに刺激を与えることもあります。

紫外線BはDNAを損傷し皮膚ガンや白内障免疫の低下光化学スモッグを引き起こします。

UNEP(国連環境計画)は、「オゾン層破壊が10%進むと皮膚ガンは26%増加する」と警告を出しています。現在、毎年200~300万人が皮膚ガンになっていて、320万人が紫外線による白内障になっています。

植物では葉の気孔から吸収され細胞組織を破壊し結果として,成長阻害や老化促進などの影響を及ぼすことが知られています。
植物の生育不良やプランクトン減少が起きるため、世界規模の食糧危機も予測されています。もしオゾン層が無くなれば陸上の生物は死滅します。

生物以外にも、台風豪雨干ばつ猛暑暖冬の影響ゴムプラスチックなどの材料の劣化を招き、窓際や外に置いてあるものが色あせたりする影響があることも知られています。

大気中に放出されたフロンガスは、分解されることなく、30年~50年間、対流圏内で存在し続けます。対流圏からオゾン層のある成層圏へ少しずつ移動し続けるため、今後数十年にわたり、大規模なオゾンホールの生成が続くことになります。

なぜオゾン層は破壊されてしまったのでしょう?

その主な原因が、エアコンや冷蔵庫の冷媒、スプレーの噴射剤(ヘアスプレー、殺虫剤)、プリント基板の洗浄剤衣類乾燥機自動車など、多くの用途で利用されていたフロンのひとつ、CFCにあると指摘されたのです。(その他に臭化メチル、ハロンなどといった塩素や臭素を含む化学物質です)

冷蔵庫、エアコンなどに使われる部品の一つに冷媒というものがあります。冷媒とは、熱をある場所から他の場所に移動させる役割を果たすものです。「なぜ冷蔵庫の中が冷たいのか」というと、「冷媒の働きにより、冷蔵庫の中の熱を他の場所に移動させている」からなのです。
フロンガスは無毒無臭で、冷蔵庫やエアコン、スプレーの噴射ガス等に非常に多量に使われてきました。

また安定した物質なので、生物や人間の暮らしている対流圏では分解しません。ですが、フロンガスが気流によって成層圏に運ばれると、光によって分解して、塩素原子を放出します。

この塩素原子が曲者で、せっかく出来たオゾンを次々に酸素分子に変えてしまいます。その結果 、オゾンの濃度が薄くなって、オゾンが吸収していた有害な光は地表面に降り注ぐことになってしまいます。

オゾン層破壊は、CFC(特定フロン)に含まれている塩素がオゾンを分解してしまうことが原因だったのです。

オゾン層破壊防止と回復

近年、冷媒用として使用されるフロンガスはオゾン層に悪影響を与え無い新しいフロンガス(HFC)に代替されつつ有りますが、しかしこのフロンガスは地球温暖化に関しては二酸化炭素の数百倍~数千倍という大きい温室効果をもっている事から、大気への放出抑制に向けての最大限の取り組みを求められています。

フロンを減らす、ということについては、科学者の力が必要になります。フロンはあらゆるところで広く使われていました。例えば「オゾン層を守るために、フロンが使われている冷蔵庫とエアコンの製造・使用を禁止します」と突然言ったら、生活が成り立たなくなります。よって「フロンに代わる物質を開発して、その物質を新しい冷蔵庫かエアコンに搭載していく」という方法が取られました。

また、「古くなった冷蔵庫やエアコンを捨てるときに、フロンが大気に放出されてオゾン層を破壊しないように、フロンを特殊な容器に入れて回収する」ことも大切になりました。フロンに代わる物質は早々に開発され、それを搭載した冷蔵庫やエアコンなどの出荷も進みました。そして、冷蔵庫やエアコンメーカーなどが、フロン回収を進める団体を作り、フロンの回収も同じく普及しています。

レジ袋1枚(20g)を使わなければ二酸化炭素は62g減らすことができるとされていますが、6畳用のエアコンのフロンガスが放出されるとレジ袋(20グラム)10万枚分の節約が無駄になると言われています。

法律制定

日本では1988年に「オゾン層保護法」が制定され、また2002年4月には「フロン回収・破壊法」が本格施行されて、廃棄される第1種特定製品(業務用冷凍空調設備類)からのフロン回収が義務付けられ、違反者に対する罰則も規定されました。

そして5年後の2007年10月には「改正フロン回収・破壊法」が施行され、第1種特定製品の廃棄並びに整備に関わる関係者の役割が明確になると共に「フロン行程管理票」の発行、保存等が義務付けられました。

さらに、2018年12月、環境省は機器の廃棄時の回収が予定通りの数値に達していない現状を受け、【現状のフロンガス回収量はおよそ3割と言われており、このままのペースだと2020年におけるフロンガスなどの排出量は現在の約2倍程度になると予測されます。】
企業への罰則を強化すると発表しました。現在、法改正の検討が始まっています。

具体的には、1回の違反で直ちに罰金などを科せる制度作りなどが挙げられており、2019年の国会での改正案成立が目指されています。

特定フロン(CFC)は1995年末に生産中止【オゾン層破壊パワー100 温暖化パワー8500】
代替フロン(HCFC)2019年末に実質消費中止【オゾン層破壊パワー6 温暖化パワー1700】

まとめ

冷蔵庫やエアコンは一家に一台はありますよね。
誰かが努力していても、たった6畳用のエアコンのフロンガスが放出されるとレジ袋(20グラム)10万枚分が無駄になるなんて怖くないですか?
ガンや災害が少しでも減る可能性があるなら放出させたくないですよね。

使用するには何の影響もないけれど、ガス漏れが起こらないようにエアコンの調子が悪い時や、捨てる時にはオゾン層を思い出して、必ず専門業者に頼みましょう!

中には皆の努力を無駄にしている人がいるんです。
そうゆう人達に向けてフロン法という法律が出来ていて、罰則が厳しくなるように2019年の国会で改正案成立しました!

これまでは繰り返し違反しなければ取り締まれなかったが、一度でも違反すれば罰金などを科せる。
※法律の対象機器は家庭用として製造販売されたエアコンは含みません!
詳しくはニプラにご連絡を☎

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