フロン排出抑制法とはAbout

フロン排出抑制法とは環境保護の法律

フロンとは化学物質です。燃えにくい、分解しにくい、人に無害であるなど優れた性質を持っているガスです。
スプレー缶や冷蔵庫、エアコンに使われてきましたが、フロンガスは地球のオゾン層を破壊し、地球温暖化に影響を与えていることがわかりました。

フロン類をとりまく状況の変化も踏まえて対応をすることが必要となってきました。
平成25年6月にフロン回収破壊法が制定されましたが、これまでのフロン類の回収・破壊に加え、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる包括的な対策が取られるように法改正され、名称も【フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)】として平成27年4月1日から施行されました。

業務用空調機の管理者に、【機器の設置に関する義務、フロン漏えいに関する義務、機器の破棄などに関する義務】を義務付けられ怠ると罰則がありますので必ず確認しましょう。

京都議定書により特定フロンの取り扱いが2020年に廃止になり、それ以降は代替えフロンが使用されます。
さらに、2018年12月、環境省は機器の廃棄時の回収が予定通りの数値に達していない現状を受け、企業への罰則を強化すると発表し、2019年5月29日、参議院本会議で可決、成立しました。

今回の改正法案には、直罰が罰則に含まれています。
直罰(=直接罰)とは、違法行為が発覚したら即時に適用される罰則です。

対して間接罰とは、違法行為があれば、まず行政指導や行政命令によって自主的な改善を促し、その指導・命令に背く行為があった場合に、それを理由として適用される罰則の事を指します。

代替フロンを使用した機器の廃棄時に、機器から冷媒を回収せずに破棄した者(管理者)に対し、自治体の行政処分を経ずに50万円以下の罰金を科せるよう罰則が強化されています。

廃棄物、リサイクル業者に機器を引き取ってもらう際、フロン回収した証明書の写しとフロン回収した機器を一緒に渡すという新たな義務付けが加わり、30万円以下の罰金も科す内容となっています。

代替フロンを回収したことを確認できなければ、処分業者が機器を引き取ることを禁止したり、建物を取り壊す際には都道府県が現場に立ち入り検査をしたりします。
政府は代替フロンの回収率を、現在の4割程度から、2020年に5割、30年に7割に引き上げることを目標としています。

フロン類とは

フロンという呼び方は日本でつけられた俗称であり、炭素と水素の他、フッ素や塩素や臭素などハロゲンを多く含む化合物の総称です。

化学的にきわめて安定した性質で扱いやすく、人体に毒性が小さいといった性質を有していることから、エアコン、冷蔵・冷凍庫の冷媒などに活用されてきましたが、オゾン層破壊の原因物質や温室効果ガスであることが明らかとなり、様々な国際協定・法律によって、先進国を中心に大幅な使用制限がかけられています。

オゾン層への影響

オゾン層とは地球の大気中でオゾンの濃度が高い部分のことで、上空10~50kmの成層圏に有り、有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守ってくれています。

フロン類の一部には、大気中に放出されると、このオゾン層まで到達し破壊してしまいます。

また、オゾン層を破壊しないものの、二酸化炭素の100倍~10,000倍以上の大きな温室効果があり、地球温暖化といった地球環境への影響が明らかとなりましたので、フロンの排出を抑制することが重要になっています。

オゾン層破壊が破壊されると

強い紫外線がオゾン層に吸収されずに地表に届くため紫外線BはDNAを損傷し、皮膚ガンや白内障、免疫の低下を引き起こします。
UNEP(国連環境計画)は、「オゾン層破壊が10%進むと皮膚ガンは26%増加する」と警告を出しています。現在、毎年200~300万人が皮膚ガンになっていて、320万人が紫外線による白内障になっています。

植物の生育不良やプランクトン減少が起きるため、世界規模の食糧危機も予測されています。
もしオゾン層が無くなれば陸上の生物は死滅します。

大気中に放出されたフロンガスは、分解されることなく、30年~50年間、対流圏内で存在し続けます。
対流圏からオゾン層のある成層圏へ少しずつ移動し続けるため、今後数十年にわたり、大規模なオゾンホールの生成が続くことになります。

オゾン層に悪影響を与え無い新しいフロンガス(HFC)に代替されつつ有りますが、しかしこのフロンガスは地球温暖化に関しては二酸化炭素の数百倍~数千倍という大きい温室効果をもっている事から、大気への放出抑制に向けての最大限の取り組みを求められています。

日本では1988年に「オゾン層保護法」が制定され、また2002年4月には「フロン回収・破壊法」が本格施行されて、廃棄される第1種特定製品(業務用冷凍空調設備類)からのフロン回収が義務付けられ、違反者に対する罰則も規定されました。

そして5年後の2007年10月には「改正フロン回収・破壊法」が施行され、第1種特定製品の廃棄並びに整備に関わる関係者の役割が明確になると共に「フロン行程管理票」の発行、保存等が義務付けられました。

現状のフロンガス回収量はおよそ3割と言われており、このままのペースだと2020年におけるフロンガスなどの排出量は現在の約2倍程度になると予測されます。

フロン機器の点検義務化

フロン排出抑制法により、業務用の空調機や冷凍冷蔵機器の所有者(管理者)には、定期点検などに取り組むことが義務付けられました。

フロン機器の点検義務対象者

フロン類を使用した機器うち、第一種特定製品に当たる業務用の冷凍空調機器の管理者は、法に基づき管理の適正化(漏えいさせないための措置)に努めることが必要となります。

第一種特定製品とは

冷媒としてフロン類が充塡されている次の機器です。

簡易点検

機器の規模に関係なく、全ての機器の管理者が取り組まなくてはなりません。 詳しくはこちら→フロン法対応簡易点検

簡易点検+有資格者による定期点検

一定規模以上の機器の管理者は、取り組まなくてはなりません。 詳しくはこちら→フロン法対応定期点検

管理者の義務

管理している第一種特定製品によって、「機器の定期点検」「点検の記録・記録の保存」「漏えい量の報告」などが義務付けられています。

一定規模以上の機器とは

管理する第一種特定製品の機器の圧縮機に用いられる電動機の定格出力が、7.5kW以上の機器が対象となります。

フロン排出抑制法の義務に違反すると

フロン排出抑制法の義務に違反した管理者には、以下の罰則が科せられます。

各都道府県でフロン排出抑制法の立入検査をしています。
フロン排出抑制法の対象機器に該当するかご不明な場合は無料で診断いたします。
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